広東ゴルファー日記

香港とゴルフが好きな医学生投資家が毎日のことをつらつらと書く日記です。

【わいせつ疑い乳腺外科医】これで捕まるなら医者やってられないよなぁ

こんばんは。

 

寒い日が続きますね。僕は風邪の置き土産でいつもより声が低い状態がずっと続いています。なんか長いなぁという感じですね。

 

さて、先日ニュースになったので知っている方も多いかもしれません。「柳原病院乳腺外科」で起きたとされる、女性患者へのわいせつ行為によって逮捕、起訴された乳腺外科医の方の話です。

 

乳房への手術で麻酔を行い、その後の術後回診において手術を担当した医師が患者女性の乳首を舐めた、ということで逮捕起訴されたわけです。

 

僕はこれを見た当初「ほんとかよ!?」と思いました。普通に考えて外科医の方が自信が執刀した手術の患者さんに対して欲情してそういった行為に及ぶとは考えられません。まあ、嗜好はそれぞれなので「そういう人もいる」と言われてしまえばそれまでなのですが、この方は卒後27年目にして直近3年間で240件の手術を担当されていました。結婚されていて、お子さんも3人いるそうです。そんな方が突然そんな行為に及ぶだろうか?否と思うわけです。


もちろん感情論だけで論じても何の意味もないのですが、状況的にはまず白だろうなぁと思っています。警察は乳首周辺をふき取って、科捜研に回したそうです。その結果1.6μlの唾液が検出され、なおかつ担当医師のDNAが検出されたそうです。なお、それらの裏付け証拠となる、アミラーゼ試験陽性結果の写真などはすべて破棄されており、現状では科捜研で担当した鑑識官の証言のみしか残っていないそうです。


一般の方だとDNAが出て、一致した!?じゃあ犯人じゃん、となるかもしれませんが、唾液というのはその人間がいた空間であればどこに観察されたとしてもおかしくないです。僕はこの文章を打ちながら咳やくしゃみをしているので僕のPCの画面からは僕のDNAの唾液が検出されるでしょう。なのでそれは僕がPC画面を舐めたことを証明することにはなり得ません。


また、科捜研がすべてのデータを破棄していることや、患者の訴えを聞いた女性警察官が自己判断で胸部の写真を撮らなかったことなどを考えると、「よくこれで起訴に踏み切ったな」と言わざるを得ないレベルの杜撰さです。


全身麻酔を行った後ではせん妄という、幻覚や幻聴を訴える方がいることは論文でも発表されており、こうした訴訟が起きるリスク管理が大事だと言われていました。実際にこの患者さんも「ぶっ殺してやる!」などと大声で叫んでいたようです。これはある種仕方のないことです。また、患者さんの職業として水着やその他衣装を着るモデル業のようなものをしており、幻覚の内容に影響があったと言われればそうかもしれないと思います。麻酔後せん妄状態の患者さんに対して術後回診を一人で行ったために起きてしまった、被告人の弁護士の方も言ったそうですが「悲劇」としか言えません。


この件に関してtwitter上でも医師の方たちが反応しており、「一番の加害者は警察」という反応が目立ちました。あまりにも杜撰な対応や数度にわたる家宅捜索、この外科医の方の人生をぐちゃぐちゃしてしまっている自覚がないのでしょう。公権力というのはあまりにも強力で、であるからこそ慎重かつ厳正に振るわれなくてはならないのですがこれではな、というのが正直な感想です。


この裁判の地裁の判決が2月20日で出るそうなので、出て来次第また記事にすると思います。これで無罪以外の判決が出た場合に医療界全体にものすごい衝撃が走ると思います。患者さんのためを思って術後回診しているのに、その場に2人以上いないとせん妄から訴訟を受けて有罪判決が出る、ということになるわけで人手が足りない病院でそんなことがいちいちできるはずもなく、結局社会からサービスが失われ困るのは世間の人々となると思います。


加えて、医師の警察に対する信用も著しく低下するのではないでしょうか。こんな裁判をして一人の外科医の人生をつぶす社会では未来がないと思います。

今回は僕の意見がメインだったのですが、原告の検察、被害女性の証言や証拠などは更に疑義を醸すようなものが多いので僕は誤認逮捕だと思っています。

 

一つ幸いなのは、この医師の方が裁判中も他の病院で雇用され働けているということです。それだけ人手が足りないのでしょうし、それだけ信頼されているのだなぁと感じました。そういうところで働きたいですね。

 

判決如何によっては僕の進路も変更を考えなくてはなぁ。