広東ゴルファー日記

香港とゴルフが好きな医学生投資家が毎日のことをつらつらと書く日記です。

【医学】聲の形を見た人に伝えたいこと【広東ゴルファー】

こんばんは。広東ゴルファーです。

 

先ほどニュースを見ていると先日舌癌を告白し、手術を受けた堀ちえみさんの記事が流れていました。その記事によると「紫色」や「あひる」といった単語を言語聴覚士の方と一生懸命練習しているそうです。

 

舌癌というのは文字通り舌にできる癌であります。癌ですのでそれぞれステージごとの治療が異なるのですが、ステージⅣと診断された堀ちえみさんは手術を受けて舌を部分切除したと思います。そのため今まで通りの発話が非常に困難になっていると思われます。

 

それで、本題なのですが、僕は一応手話を勉強していまして民間資格ではありますが手話検定準1級を持っています。日常会話に支障がない程度の能力です。準一級というのは英検や漢検であればかなりの難易度なのですが、手話検定に関していえばそこまでの難易度ではないです。会話レベルとしてはだいたい中3英語位でしょうか。そんな僕から聾唖の人について、その関わり方について書かせていただきたいと思います。

 

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手話の現状

単語を数多く知っているわけでもなく、むしろ日常会話の中で聾唖の方におしえてもらうことが多いです。それに単語を知っていたところで聾唖の方がその単語を知らないと伝わりません。実は日本語に方言があるように手話にも方言があり、都道府県ごとに全然違う表現になってることもしばしばあります。

 

NHKでの手話放送は全国の手話と言って統一した基準で放送されています。しかしそれぞれ多くの人で微妙に表現方法が異なるというのが現状です。そんな現状ですので初めて会う人の表現が分からないことがしょっちゅうあります。

 

聾唖という言葉

聾唖と書いて読めますか。ろうあ、と読みます。聾というのは耳の聞こえないこと、唖というのは話すことができないことを言います。一般に耳が聞こえない人は音が分からないので発声できないのですが、血のにじむ努力をして聞こえないはずの音を発話することができるようになる人もいます。人間が超音波でイルカと会話しようとするようなものでしょうか。非常に難しいと思います。

 

耳は聞こえていても精神的に声が出ない人もいますね。そういう人は聾唖ではなく唖者と言います。ほかにも発達障害の一つに構音障害というのがあり、音をうまく出せない人や吃音といってどもってしまう人もいます。広義には唖者に分類されるのでしょうか。

 

聾唖の人に接するときには

聾者と接する際に意識してほしいのは「大きい声で言えば伝わる」というのは間違いだということです。難聴にも種類があり、音が伝わらない難聴以外にも脳が音を聞かないという難聴もあります。音が伝わりにくいというタイプの難聴であったとしても音量で伝えるためには飛行機のエンジンレベルの音量が必要になることもあります。ですので「大きい声で言えば伝わる」というのは誤りだと知ってください。

 

次に「口を隠さず、ゆっくりはっきりと口を動かす」というのを意識してください。聾者はかなり唇を読んで認識しています。僕も手話を話すときは読唇と併用することがあります。

 

そして「文章表現が難しい」という認識を持ってください。よく市バスなどで「筆談可」というのを見ますが、筆談は時間がかかるうえ、聾者によっては日本語の筆記が非常に苦手な場合があります。僕も知り合いの聾者の人とメッセージをやり取りしていますが助詞、助動詞が間違っていることが多々あります。やはり音を知らないまま日本語を学ぶというのは非常に難しいということです。

 

この記事を読んでくれた人が聾唖の人について少しでも理解してもらえるだけで聾唖の人が生きやすい社会になります。ありがとうございました。