広東ゴルファー日記

香港とゴルフが好きな医学生投資家が毎日のことをつらつらと書く日記です。

【はしか】これはもはやバイオテロ

こんばんは。広東ゴルファーです。

 

2018年冬に三重県内において麻疹(はしか)の患者が発生したのをご存知でしょうか。

 

麻疹と言えば2歳以下が感染した場合SSPEという麻疹後遅発性脳炎を引き起こすことがあります。SSPEを発症した場合、まず助かりません。嘘のようですが、本当に助かりません。治療法は現在の所確立されておらず対症療法しかないです。「はしか」というと非常にありふれた病気ですが非常に危険な感染症です。

 

さて、三重県内発生した麻疹ですが2019年1月現在の所感染者数は30人弱に上っており、2次感染(感染者からほかの感染者にうつること)も確認されており全国規模での再流行が懸念される事態となっています。なお、麻疹のワクチンはMMRワクチンという3種混合ワクチンを子供に接種させるのが一般的になっているので接種されている方はそれほど心配しなくてもいいです。でも先天性疾患や免疫抑制剤を服用している方は発症の恐れがあり危険な状態であることに変わりはありません。

 

2次感染発生についてはこちらをどうぞ。

www.isenp.co.jp

 

では、予防接種でガードできるはずの麻疹がなぜ再流行の兆しを見せているのでしょうか。ニュースによると三重県内で行われた研修会の参加者に発生し、特に10代の発症者が多いとのことです。なお、発症者のワクチン接種状況は「未接種」だったようです。

 

こちらのページの発生状況をご覧ください

www.pref.mie.lg.jp

 

さて、麻疹ワクチンは基本的に2回受けることが理想です。1回だけでは5%の人が抗体を持つことができず、10年ほどで抗体も減ってしまいます。そのため2回の接種が勧められています。

 

個人的には上記の発生状況の表を見て、「ああ、こんなにきれいに未接種or1回に発症しているんだな」と感じました。患者の多くが10代であるというのも「親が誤った知識に基づいて拒否したんだな」「子供は親のいうことを信用するしかないよな」とかわいそうに思えてしまいます。

 

さて、実はこの発症した患者さんの一部はtwitterで特定されたようです。なんでも「反ワクチンを掲げる宗教」の会合?研修会?だったようです。またyahooニュースにもなりましたが、患者のうち一人がAKBの握手会に行ったようです。そこで麻疹ウイルがばらまかれたと思われますので全国規模で感染者が増えるかもしれません。

 

これははっきり言ってバイオテロです。だってそうでしょう?もともと防げるはずの麻疹をワクチンを打たずに宗教団体内で広めて、その後に団体の会員が全国に散ってばらまくわけですから。反ワクチンを掲げておきながら発症したら病院を頼る、どっかの離島で団体のありがた~い治療を受けてくれませんかねえ。

 

失礼しました。僕は医学生の友人がいるのですが、彼と反ワクチンについて話すと彼はきまって「法整備するべき」と言います。思想の自由に反するため不可能でありますが「反ワクチン思想」は公共の福祉を害する存在に他ならないです。別に水素水を飲もうが悪影響はありませんがワクチン打たずにばらまいて感染させるのはどう考えても迷惑です。

 

反ワクチン、反現代医療について述べるときはいつも怒りの感情が出てしまってよくないですね、すみません。でも、ぼくとしてはやはり今回の感染は防げるものを危険思想によってばらまいた最悪のヒューマンエラーだと思います。

 

麻疹以外にも怖い感染症はたくさんあります、インフルエンザもその一つです。冬はどうしても体力の落ちやすい時期ですので健康に注意して生活してくださいね。

 

医療関係者としてはやってられんよなぁ。