広東ゴルファー日記

香港とゴルフが好きな医学生投資家が毎日のことをつらつらと書く日記です。

【医師】2000!?【広東ゴルファー】

こんばんは。広東ゴルファーです。

 

先日、柳原病院の乳腺外科医の方が業務中に誤認逮捕をくらった話を書きました。まあ、まだ誤認逮捕と決まったわけではないのですが、おそらくそうでしょう。もし違ったら警察に謝ります。

 

で、その話を書いている中で、「こんなことが続くのなら医療界は簡単に崩壊するよなぁ」と思っていました。僕は医療側に立つ人間として今の医療界というか世間に不満しかありません。

 

一つには患者のモラルの崩壊、「仕事で日中は来れないから夜間救急で診察してくれ」「指先をやけどしたから救急車を呼ぶ」「初診だけど薬を1か月分出せ」などなど。普通に考えれば「なぜ?」と疑問の湧くことが非常に多いです。

 

僕は資本主義万歳と思っています。競争の原理万歳、株式市場万歳、神の見えざる手、アダムスミス最高!!でもそんな僕でも医療に関してはある意味社会主義的な側面があってもいいと思います。つまり、万人が分け隔てなく医療へのアクセシビリティがあっていいということです。明日の飯が食えなくても死なないが、心タンポナーデは5分で亡くなります。

 

防げるのならその死を防ごうじゃないか、そのためなら少しくらい割に合わなくてもいい、そう考えている方はたくさんいると思います。でも、現実はそうでしょうか?指先のやけどで死にますか?普通は死にません。

 

日本の現状がいかにおかしいものなのか理解してほしいと思います。なくてはならない職業なのに医師、薬剤師以外の給与は軒並み安く、介護士というこれからの日本を支える基幹職業はさげすまれる、狂っていると思います。書き出そうと思えばいくらでも書き出せますし、まだ働いたことの無い僕ですらそうなのです。働き始めたらもっともっととんでもない現状を目にすると思います。

 

さて、現状の医療をめぐる制度、モラルハザードについては理解してもらえたと思います。僕は病院というのは、非常食配布機能付きラーメン屋で良いと思うんです。緊急症例は必ず見捨てない、でもそうじゃないなら必要な時にだけ来たら良いのです。風邪になっても体の強い人は家で寝てれば治るでしょうし、もし何か心配なら正当な対価を支払って利用したらいいと思うんです。もちろんその実現のためには壁がたくさんありますし、事はそう簡単ではないのですが、モラルハザードの話を見るたびに「出禁にしたい」と思っています。

 

 

まあ、僕が政治にかかわることはないと思うのでここまでただの愚痴でしかないですね。さて、そんなグチグチゴルファーですが、先日こんなニュースを見ました。

 

「医師の残業上限を2000時間に!」

 

わ~やった~勤務時間上限が2000時間だぁ。ってことは完全週休二日制で毎日8h労働で済むぞ~(白目)

 

んなわけはなく、残業時間の上限を医師の減少が顕著な地方に限り2000時間に引き上げるとのことです。簡単に言うと毎日14時間くらい働いてねってことです。つまり、○○ってことですね。厚生労働省流石ですね~。

 

多分、実現はしないと思います。実現したらこの国の医療は破綻します。いったい誰が好き好んでそんなことするんでしょうか。でも、かならずその時間で労働する方はいらっしゃいます。嘘だろ、と思うかもしれませんが意思の強い方は自分の体や環境を顧みずその時間で労働します。僕には無理です。医師にも幸福追求権があると思っています。でも、それでも崩壊します。多くの人間がそんな時間の労働を拒否するからです。

 

さて、この厚生労働省の発想に日本医師会は何というのでしょうか。正直恥も外聞もなく「バカヤロー」と記者会見で発表位してもいいと思います。全国の医師が賛同します。それよりもまず直すべきところがいくらでもあるのです。coメディカル(医師と一緒に働いている方)の業務範囲の拡大、国民皆保険の見直し、救急搬送システムの修正など、いくらでもあるのにそれに触らないで何を言ってるのか、と思います。

 

かなり怒りの文章になってしまいましたが、世の中の医師の方たちは淡々としていますね。「ああ、この国の医療は終わるのだな」「俺は働かないよ」など反応は三者三様ですが、もうあきらめているのだと思います。流石に考え直して撤回してもらえるといいのですが果たしてどうなるのでしょうか。

 

僕の将来の目標は年間2000時間労働です。