広東ゴルファー日記

香港とゴルフが好きな医学生投資家が毎日のことをつらつらと書く日記です。

【大学生活】医学生が本気で信じている社会とズレた4つの考え

こんばんは。広東ゴルファーです。

 

連日の医学生ネタですが、今回は「医学生は常識がない」と言われやすいことについて書いていきます。

※客観的に見て「馬鹿にしてんのか?」と言いたくなるかもしれませんが悪意0でそう思っているのです。

↓こういうのも常識無いものに入りますね

cantonesegolfer.hatenablog.com

 

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では1つずつ紹介していきますね。

 

1、医者は別に良い職業だと思っていない

「は?」と思いますよね。医師という職業は「金、地位、名誉」3拍子揃った職業だろ?と思う人は多いと思います。

ただ、現実的にはそうではないです。

 

まず「金」。これは無給医の件が問題になったように「職場次第ではバイト必須」です。

大学院では病院外来を担当したりするのですが「大学院は学費を払っていくところ」なのでたとえ外来を担当しても給料がもらえないことも多いようです。

また、年収1千万というとものすごい金額に思えるかもしれませんが手取りに直すと700万程度となり、多少外食に行ける回数が増えるだけで大きな出費を繰り返すことができるほどではありません。消費する時間もないです。

カルロス=ゴーンの年収の1%でもあればなぁ。

 

次に「地位と名誉」ですが、普通の医師はありません。例えばノーベル賞を獲られた本庶先生らは「地位も名誉」もありますが(特許次第では金も)まあ一握りの人間だけですね。

下手をすれば「今の主治医より本庶先生に診てもらいたい」と考える人もいるかもしれません。「優れた研究者」と「優れた臨床医」が混同されているのです。

まあ、本質的に主治医に問題がある場合もあるでしょうが、少なくとも僕は本庶先生に診てもらおうとは思いません。

 

医師であるというだけでいろいろな人が頭を下げ、その結果増長して変なプライドが強まってしまう人もいるのですが、特殊資格があるだけで、社会の中で働く1労働者に違いはないんだよなぁと思います。

まあ命に係わる職業だから尊敬するというのもあるかもしれませんね。

 

けっこう多くの医師は「医者になりたいのでないなら医学科は勧めない」と言うでしょう。その位「割に合わない」と感じているのだと思います。

2、勉強すれば必ず成績は伸びる

医学生の中には医者は良い職業だと思っている人も時々いますが、「勉強したら成績は伸びる」という思考を持つ人はもっと多いです。

「必ず」と付くと否定する人も増えるのですが、例えば「同じ数学の問題は3回もやれば数字が変わっても余裕」という問いに変えるとほぼ100%の人間が同意するでしょう、特に国立大学の医学科ではそうです。

 

逆に言えばその能力がないと現役で難関大医学科は難しいということかもしれません。後編でまた書きますが「や、3回解いて覚えられないやつはいないだろ」と本気で思ってます。特に教育系のバイトをしていないとこの傾向は強くなります。

 

かくいう僕も「やり方を間違えなかったら絶対合格させられるだろ」と家庭教師バイトを始めた時に思いました。もちろんそんなうぬぼれは木っ端みじんになったわけですが今まで属していた環境が学力水準上位であったために「自分を基準にして考えていた」のです。

 

そんなわけで「やればできる」思考になっている者は多いかもしれません。自分でそんなことを言うのは気が引けますが、そのくらいには能力が高いのです。それを自覚しない者が非常に多いということです。

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3、初任給が25万を割ると「低すぎね?」となる

医学生は低学年のうちは就職先を深く考えることはありません。基本的には5,6年生になってからどこの病院に行こうか考えはじめ、病院見学に行きます。

病院見学ではその病院がどんな場所でどんな雰囲気なのか、そして食堂のご飯はおいしいのか、など様々なことを知ることになります。そして欠かせないのが「給与」です。

 

ではここで札幌市にある初期研修病院の給与待遇を見てみましょう。

https://www.kkr-smc.com/web/training/details/post_5.html

一年次の月額は35万円となっています。当直もあることを考えると年収にして450万程度でしょうか。2年次からはさらに上昇して500万位になるものと思われます。

 

一般的に都市圏の病院は給料が安い傾向にあります(大学病院ほどじゃないですが)。そのため地方に行くとさらに給与待遇が向上するのです(時間当たりの単価は不明むしろ減衰?)。そんな環境で働くことを考えると初任給25万という数字はものすごく低い値に見えてしまうのです。

 

things-going.com

このような記事もありましたが院卒でも額面で22万円なのですね。医師とはやはり大きく違いますね。

 

このある種の異常な高給は「人の命を預かっている」「大きな努力の上にある」「長時間労働する」といった要素との兼ね合いを考えて「医者の給料は高い」と言ってもらえたらなと思います。

 

その業務内容がその金額と等価であるかというのは考えていかなくてはいけないところだと思います。

4、自分は別に頭が良いわけじゃない

これは大学時代にさんざん周りとのギャップを感じている人が多いです。「医学部=頭が良い、という思考止めてくれ」と言っている友人は非常に多いです。

僕もそう感じてました。インカレの部活の見学に行って「医学部です」というと、サーっと波が引くような雰囲気になるのです。「勘弁してくれ、俺より頭良いやつなんていくらでもいる」と思っていました。

 

ただ、前述の2とも関連するのですが家庭教師のバイトなどをすると多少なりとも「やはり自分は少し頭が良かったのかもしれない」と思うことは多いです。

塾講師をしている友人も言っていましたが「なぜそこがわからないのかわからない」という場合が非常に多いのです。例えば問題の解説をしているときに本筋とは関係ない思ってもいないようなところから質問が飛び出すのです。

質問された内容自体は非常に簡単な話で1学年下の授業で扱うような内容でその単元は問題なく通過してきたはず、そして教師側が単純明快に昔と同じ説明をしたのになぜかそこで詰まってしまうのです。

 

そうなってくると家庭教師としては「え、ひょっとしてこの単元かなり穴があるの?一年前に終わった話なんだが」と非常に背筋が寒くなるのです。「ひょっとしてそれ以後の単元内容、関連部分全滅してるのか!?」と焦ってしまいます。

まあ、そんな感じになるまで疑問点を放置したりわかったふりで乗り切られたりしてしまうとかなり厳しくなるのですが、根底には教える側の「まあ本筋じゃないし、ここくらいは解説しなくても何とかなるやろ」という思考があるのかもしれません。

たとえるなら微分の説明するときにその2次関数や1次関数についてわざわざ説明しないようにという感じでしょうか。

 

ただ、経験上、教えるときは本当の意味で「網羅的に」教える必要がある場合が圧倒的多数です。

 

しかし今まで属していた集団のレベルが高すぎてしまったがゆえに「自分は別に頭が良いわけではない」という考えになってしまうのではないかなと思います。

 

まとめ

医学生は悪意なく自分の能力を過小評価している場合が多い。

この記事を書いた奴はうぬぼれている

 

ということでごめんなさい、だいぶ不快に思うような箇所があったかもしれませんがまったく悪意なく客観的に見て書いています。最近になってようやく友人と「やっぱり基礎的学力水準は高かったかもな」という合意に達しました。

 

もし、周りの医学生で「こいつウッゼエな」と思ったとしても、本人は本気で言っているかもしれませんので一歩引いた大人な目線で眺めてあげてほしいなと思います。