広東ゴルファー日記

香港とゴルフが好きな医学生投資家が毎日のことをつらつらと書く日記です。

【医学】白血病は不治の病とは言えない【広東ゴルファー】

こんばんは。広東ゴルファーです。

 

お昼ごろに一休憩いれてニュースを見て驚きました。競泳の池江璃花子さんが白血病を告白したとのことでした。競泳ではものすごい成績でメダルを有力視されている選手です。

 

皆さんはニュースをご覧になってどう思ったでしょうか。僕は純粋に驚きました。「え!?白血病なの!?東京オリンピックは難しそうだな」と。皆さんも同じと思います。でもこう思った方もいるかもしれません。

 

白血病って治らない不治の病じゃないか」と。

 

分野としては血液内科という分野の知識なのですが急速にに発達した分野ですので今なおこういった誤解があると思います。なので今回ざっとですが白血病(leukemia)について説明していきたいと思います。

 

白血病というのは血液の癌と言われますがどのようなものなのでしょうか。

 

分類として白血病には急性(Acute)と慢性(Chronic)の2種類があります。一般的に急性というと発症してすぐ、慢性というと繰り返したり、数年の経過をたどるものを指します。

 

また、増殖する細胞の種類によって骨髄性(myeloid)とリンパ性(lymphoid)に分類されます。これはそれぞれ白血球の数が増えるもの、リンパ球が増えるものという違いがあります。ただし増えると言っても機能が失われている場合が多いです。

 

これらの英単語:AcuteかChronicか、myeloidかlymphoidかを判定し、後ろに白血病(leukemia)を示すLを加えてAMLやALLなどと言うことが多いです。

 

治療としては血液の癌なので抗がん剤を使用します。また分子標的治療薬と言ったものや造血幹細胞移植も行うことがあります。分子標的治療薬とは特定の分子構造に対してのみ作用する薬のことで、悪さをする分子に合う薬があればその分子の働きを止めることができるのです。また造血幹細胞移植とは自分や血縁者の方の血液を移植するものです。血液を移植すると言っても輸血とは限らず、血液工場である骨髄の移植もあります。

 

難しい話が続いてしまいました。池江選手の今後についてすこし述べて終わりたいと思います。

 

池江選手の診断を下すのは僕の役目ではないので致しません。ただ選手として東京オリンピックに出場することはほぼ無理だと思います。白血病の治療は数年がかりで行わなくてはならないのでひょっとしたら次のオリンピックも間に合わないかもしれません。

 

生命予後に関していうと白血病の中でも成人ALLなどは予後不良ですがAMLは治療がかなり発達していますしCMLにいたっては特効薬があります。ですので生命予後についてはALLでない限りそれほど心配しなくてもいいのかなと思います。

 

また元気な姿で泳いでもらえるのを待ちましょう。